前年の世界選手権で2階級を制した小川直也が、決して万全と言える内容ではなかったが、無差別級で初優勝を果たし、もう一人の世界王者・古賀稔彦も接戦をものにして大会2連覇を達成した。この大会で鮮烈なデビューを果たしたのが、78kg級の吉田秀彦と60kg級の板楠忠士の2人。21歳の吉田は89年世界3位のワラエフ(旧ソ連)、2位の持田達人、そして世界チャンピオンの金炳周を次々に破る快進撃を見せて初優勝。若干18歳の板楠も3回戦で世界王者のトチカシビリ(旧ソ連)、決勝ではアグレッシブな柔道で世界3位のダシュゴンビンに攻め勝ち、ビッグタイトルを手にした。優勝4階級は過去最低ではあったが、88年のソウル五輪で金メダルが1つ、89年の世界選手権で優勝3階級と、世界との差がほとんどなくなっている状況下でのこの結果は、翌91年のバルセロナ世界選手権、92年のバルセロナ五輪に光明を見い出すものであった。 |