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4月29日 全日本柔道選手権大会(日本武道館)試合結果
優 勝 井上 康生 5段 綜合警備保障(株) 全日本柔道選手権大会観戦記 平成14年 全日本選手権柔道大会は、好天に恵まれた4月29日(みどりの 日)東京・日本武道館において開催された。 決勝戦は、史上8人目の連続優勝を狙う井上康生五段(綜合警備)と2度目の決勝進出を果たした棟田康幸三段(明治大学4年・21才)の対戦となった。初優勝を狙う棟田は、低い姿勢から前に前に出てプレッシャーをかける。前半、棟田タイミングの良い技で、井上の体を大きく浮かすものの井上、何とか腹這いに逃れる。これに対し、十分な組み手になれない井上、再三内股で棟田の体を浮かせるがポイントにつなげることができない。一進一退の展開であったが、棟田の猛攻を凌ぎ、ポイントこそ奪えなかったものの、終始自分の柔道を貫き通した井上が、僅差の判定を2−1で引き寄せ2連覇を達成した。終了間際、井上が土壇場で見せた無意識の出足払、棟田の体が腹這いで畳に落ちた瞬間、勝敗は決した。今回の勝利は、チャンピオンとなっても前に出て攻め続け、自分の柔道にこだわり続ける井上の頑固なまでの柔道に対する姿勢がもたらした勝利といえるだろう。 明治15年に嘉納治五郎師範によって創始された講道館柔道は、今年でちょうど120周年を迎えた。ややもすると勝ち負けにこだわる競技面ばかりが先行しがちな今日の柔道であるが、全日本選手権には、嘉納師範が理想とした「正しく組んで一本を取り合う柔道」が、色濃く受け継がれている。今大会で活躍した井上(康)・棟田・猿渡・大村等、勢いのある若手選手の試合も、その伝統をしっかりと受け継いだ見ごたえのあるものであった。しかし、その陰には、長年伝統を支えてきたベテラン選手達の奮闘があったことを忘れてはならない。特に印象的だったのは、1回戦微妙な判定(2−1)で敗れた吉田選手のさわやかな笑顔と、どうしようもない体の衰えを感じながら最後まで健闘し、最後は見事に宙を舞った養父選手の戦いであった。長年、日本柔道を支え続けた吉田選手には、心から「お疲れさま、そしてありがとう」という言葉を贈りたい。そして、全日本選手権12回出場、いつも一本を期待され続け、ついに若手の台頭の前に潔く屈した養父選手にも心からの拍手を送りたい思いであった。 伝統ある全日本柔道選手権、その人気の源は、「正しく組んで最期まで一本を目指し続ける」選手達の姿勢と鍛錬された技による取るか取られるかの勝負を期待するファン心理に有ると思われる。私たちそれぞれが、この全日本選手権に受け継がれている伝統を忘れなければ競技としての柔道が進む方向を誤ることはないと信じている。また、それと併せて、精神面においても、柔道ルネッサンスが提唱する「嘉納師範の理想とした人間教育」を目指し、「精力善用」「自他共栄」を実践することで今後益々、柔道が発展して行くことを祈って観戦記とする。 (講道館道場指導部 M.M) | |||||||
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