平成13年 全日本柔道選手権大会 試合結果  

全試合対戦結果表
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4月29日 全日本柔道選手権大会(日本武道館)試合結果

優 勝  井上 康生 5段(綜合警備保障)
準優勝  篠原 信一 5段(天理大教員)
3 位  村元 辰寛 4段(旭化成)
3 位  小嶋 新太 3段(綜合警備保障)



 平成13年全日本選手権大会は、雨模様の天気にも関わらず、例年を上回る約1万1千人の大観衆を日本武道館に集め、盛大に開催された。21世紀最初となった今大会は、初参加の者が14名にのぼり、新世紀の到来と共に柔道界の新旧交代をも感じさせるものとなった。一つ一つの試合も若さに溢れ、体の大小に関わらず、一本にこだわり競い合う姿は、見ごたえのある素晴らしい試合ばかりであった。

 実力者同士の激しい戦いが続く中、準々決勝に勝ち上がったのは、安定した力で勝ち上がってきた井上康生5段(推薦・シドニーオリンピック100Kg級チャンピオン)、篠原信一5段(平成10.11・12年全日本選手権チャンピオン)をはじめ、平成9年度準優勝の実績を持つ村元辰寛4段、2001年無差別で行われた嘉納杯の初代チャンピオン下出善紀5段、初戦から素晴らしい技の切れを見せ勝ち上がった小嶋新太3段、マスコミの話題を集めたシドニーオリンピック81Kg級チャンピオン瀧本誠4段、平成11年度準優勝の実績を持つ棟田康幸3段の8人となり、準々決勝進出からは好カードの連続となった。

 決勝では、3回目の対決となった井上康生5段・篠原信一5段の対戦となり、井上康生5段が、これまでどうしても崩せなかった篠原信一5段の牙城をポイントこそ奪えなかったものの終始攻め続けて崩し、判定勝ちをおさめた。その勇姿に多くの人々が新しい時代の訪れを感じたことであろう。試合結果は、トーナメント表に記した通りである。なお、決勝に進出した井上康生5段・篠原信一5段の2回戦からの戦いの軌跡を以下に簡単に記した。

 正々堂々と正しく組んで一本を取りに行く柔道は、多くの人々に感動を与えるものである。日本柔道はいつの世にも一本勝を目指し続けて欲しいものである。日本を代表する今大会の選手達が、その意志を持ち続けてくれていることは、日本柔道の明るい未来に通じるものである。今夏には、ミュンヘンにおいて世界選手権が開催される。いつまでもシドニーオリンピックの余韻にひたっている場合ではない。更なる前進を目指し、日本代表選手達が日頃の練習の成果を十分に発揮し好成績を上げることを祈り、観戦記とする。

決勝戦  井上康生(5段)   篠原信一(5段)

昨年の決勝戦では、序盤から両襟で引き付け、動きを止める篠原の戦術になす術のなかった井上であるが、今年は違っていた。決して下がることなく前に前に出て組み、自分の間合いを取って、常に先手を取って攻める。後半になっても疲れの見えない井上に対し、篠原のスタミナは目に見えて奪われていた。絶妙のタイミングで入った大外刈に大きく崩れながらも、何とか耐えた篠原にディフェンディングチャンピオンとしての意地が感じられた。しかし、終盤の攻めも井上からポイントを奪うには至らず時間となり、判定は井上に上がり、新チャンピオンの誕生となった。




2回戦 井上康生   佐藤匡貴

一まわりも二まわりも体格の違う佐藤に対し、井上まったく憶することなく、自分の組手になって、大内、内股と攻め立てる。懐の深い佐藤、バランスを崩しながらも何とかしのぐ。中盤、大内、内股を警戒し、やや、腰が引けた佐藤の股の中に思い切り良く飛び込み、(双手)背負投による見事な一本勝。

3回戦 井上康生   鈴木桂治

けんか四つの鈴木に対して、大内、内股で攻める康生、中盤思い切りの良い内股で技有を奪う。大外刈、足車で一発逆転のチャンスを狙う桂治、康生をグラつかせ、場内を湧かせるが、反撃もそこまで、技有優勢勝。

4回戦 井上康生   下出善紀

体が大きく、怪力の下出に対しても、堂々と組みに行く康生。序盤、下出が思い切ってはなった大内からの内股を見事に捌き、下出の巨体を宙に舞わせ、浮落による見事な一本勝。3回戦での篠原の内股すかしに少しも劣らない見事な体捌きに、康生の大きな成長が伺えた。

準決勝 井上康生   村元辰寛

互いに胸を張って、がっぷり組み合う両者、技の切れる者同士、互いの技を警戒し、思い切った技が出ない。何とか崩して攻め込もうと試みる井上であるが、うまく捌かれ効果なし。中盤、やや受けにまわった村元に指導、後半に入り、更に注意が与えられ時間となる。




2回戦 篠原信一   福岡幸司

慎重になりすぎ、良い組み手になっても技が出ない篠原に「技を出せ」の檄が飛ぶ。その檄に刺激されたのか、「大外刈--」というひときわ大きい声とほとんど同時に、豪快な大外刈で一本勝。

3回戦 篠原信一   生田秀和

互いにしっかり組んで攻めるタイプの両者。生田が若手らしく大内刈、大外刈と攻めるが、篠原難なく捌く。中盤、生田が大内刈から、思い切り良く内股に変化した機をうまくとらえ、内股すかしで、豪快な一本勝。シドニーオリンピックの無念を、「これが内股すかしだ」と、自らの力と技で証明して見せた。

4回戦 篠原信一    棟田康幸

篠原は、奥を取り、引きつけて内股を狙う。これに対し、棟田、間合いを取って、担ぎ技で攻めようとするが、ぐらつかせるもののポイントにはいたらず。後半、篠原の前に出る圧力に負け、不注意に下がったところを場外注意を取られる。終盤にも極端な防御姿勢をとった棟田に警告が与えられ、時間となる。

準決勝戦 篠原信一    小嶋新太

序盤、大内刈・内股と積極的に攻める小嶋に対し、篠原、冷静にこれを捌く。50秒、指を組んだ両者に指導が与えられる。中盤まで、良く戦ってきた小嶋であったが、2分30秒、篠原十分な組手から繰り出した支釣込足にたまらず宙を舞い一本となる。

講道館 M. M.



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